「…すまぬ。母上よ。なぜか空耳がしたのだが…」

「寝惚けんのも大概にしなさいよ。あんた今日から高校生でしょ?みっともない。早く支度して、ご飯食べて、さっさと行きなさい。初日から遅刻って本当にみっともなくて、これからの高校生生活に恥がついて回るんだから」

「え、あ…うん。ソウダネー。新学期ダヨネー」


あはは。と笑いながら、顔を洗った。ふぅさっぱり。
そのままあははーと笑いながらまた二階へと上がり、最初にいた部屋の中へと滑り込む。

ふと部屋を見回す。
壁際を見ると、ラックの部分に正に下ろし立て!と宣言するようなピカピカのブレザーが掛けてあった。
そしてその横にある勉強デスクの上には、事前に用意したに違いない真新しいスクールバックが鎮座していた。
とりあえずパジャマを脱ぎ、畳んでベッドの上に置いた後、制服を着付けていく。そのままスクールバックを手に取りーー




ーー即座に下の階にあるリビング思わしき部屋まで駆け抜けた。


バン!!!

「訳がわからないよ!」

「近所迷惑よ!この馬鹿息子!!」



 



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