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そして部屋のドアを開くとそこは、見慣れない間取りの廊下だった。
…って、当たり前だ。
これで俺ん家と同じ廊下だったらそれこそビビるっつーの。
ちょっと他の部屋とか気になったけど、もし好奇心に負けて部屋を見て、なんかあったら困るから止めといた。
えらい、俺。自制心のきく男。
そろり…そろり…
「……」
万が一に備えて息を潜める。
万が一ってなんだよって感じだけど、念には念をってやつでして。
もちろん階段も音をたてないよう抜き足差し足、だ。
…なんでだろう。悪いことしてる気分にな…らない。うん。
俺は悪いことなにもしてない。してないぞ。
「……?」
今、ふと気がついた。
この家、見覚えがある。
全体がってわけじゃなくて、随所が…なんだけど。
例えば、この階段を下る途中。
…まぁそれだけなら気のせいにできるけど、今に思えばさっきの部屋といい部屋を出たあたりとか、変なデジャヴがあった。
知らないとこのはずなのに、見覚えがある。
なんだ、コレ。きも。
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