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間髪入れずにそう言うと、楓はより一層体重をかけてきた。
やばい、これは冗談じゃない。
楓はマジだ。
…マジで俺を殺しにかかってる。
聖なる夜はクルシミマス☆ってか?
わ、わらえねぇ!!
「楓、落ち着け!」
「心外だな。酷く落ち着いてるつもりなんだけど」
「どこが!お前、俺を苦しめるつもりだろ!俺が三番目に嫌いなのは痛いことだ!!」
「本当情けないね。…颯太を苦しめる、か。どうだろ、颯太の感じ方の違いじゃない?あぁ、確かに最初は痛いかもね」
「ひぇっ!!なんの話!?どういうことなの!?」
「…颯太がすべて俺に身を任せれば、分かる話」
なぜか耳元で低くささやかれたそれに腰のあたりがぞくっとした。
くすぐったさから身をよじれば、それがもっと広がっていく感覚がして。
変なもどかしさが、俺の全身を襲い始めた。
「…颯太」
「な、んだよ…!」
「俺たちも他と同じく、特別な日にしようか。……クリスマス」
「は、ぁ?……っちょ!」
「馬鹿だよね、颯太って。俺が颯太以外とクリスマス過ごす筈ないのに。それで何が邪魔なんだか」
「おい…!つめた…!!」
「そういう馬鹿なとこも愛らしくていいんだけど」
「ど、こ触って…!っ」
「最近、限界なんだよね。どうしてくれるの?我慢が効かない。こんな夜に、俺の部屋に来る君が悪いんだよ。
…仕方がないね?颯太」
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