「すみません」

「わかればいいよ。馬鹿」

「…(むか)。…とにかく、離せ。重い。どうせだったら相手はセミロングで155cmくらいのかわいい女の子がいい」

「颯太より身長高くて悪かったね」

「たかが1cmだろ!」

「高1の時がね」



今は8cm。と俺の耳元でささやくこいつのツラを殴ってやりたい。
だがどうしてか、体重をかけられ、両腕を押さえつけられる形で立ってるから無理な話だ。

チクショウ。



「離せ。帰る」

「どうして?」

「なんでだって?んなの決まってるだろ。楓の邪魔しちゃ悪いから…」

「今更だね」

「今更って…、うぉっ!」



楓がいきなり体重をかけてきたせいで、後ろに体が倒れこむ。

次の衝撃に備えたわけだけど、どうしてかこない。


結論は簡単。
ソファーの上に倒れこんだからだ。




……って、なんでやねん!!




「おい、どけよ楓!知ってるか!?俺がこの世で嫌いなのは、一番にリア充と次に見下ろされることだ!!」

「…情けない話だな」

「なんだと!どうでもいいからどきなさい!」

「どいたら颯太帰るんでしょ?」

「あったりまえ…」

「じゃあ、嫌」








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