6
「すみません」
「わかればいいよ。馬鹿」
「…(むか)。…とにかく、離せ。重い。どうせだったら相手はセミロングで155cmくらいのかわいい女の子がいい」
「颯太より身長高くて悪かったね」
「たかが1cmだろ!」
「高1の時がね」
今は8cm。と俺の耳元でささやくこいつのツラを殴ってやりたい。
だがどうしてか、体重をかけられ、両腕を押さえつけられる形で立ってるから無理な話だ。
チクショウ。
「離せ。帰る」
「どうして?」
「なんでだって?んなの決まってるだろ。楓の邪魔しちゃ悪いから…」
「今更だね」
「今更って…、うぉっ!」
楓がいきなり体重をかけてきたせいで、後ろに体が倒れこむ。
次の衝撃に備えたわけだけど、どうしてかこない。
結論は簡単。
ソファーの上に倒れこんだからだ。
……って、なんでやねん!!
「おい、どけよ楓!知ってるか!?俺がこの世で嫌いなのは、一番にリア充と次に見下ろされることだ!!」
「…情けない話だな」
「なんだと!どうでもいいからどきなさい!」
「どいたら颯太帰るんでしょ?」
「あったりまえ…」
「じゃあ、嫌」
[*←] | [→#]
6/10
←