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「好きです!」
「…は?え、いきなり来てお前なんなんだ。てか誰だ」
ハトリ キョウヤ
「D組の羽鳥 匡也です!」
「いや、そういう話じゃ」
イチギ カズト
「A組の聿木 和人君ですよね。知ってます」
「だからそういう話じゃねえ!」
「好きです、和人君!」
「なんなんだよ!てめぇ!」
「俺と付き合って下さい!あの時は優しくしますから!」
「一体何をだっ」
「何ってナニを…」
「だまれぇぇぇッ!!」
「照れ屋ですね」
「見ろ、鳥肌だ!」
「あぁ、綺麗な肌ですね。あんまり外に出てないんですか?色も白く…」
「てめ、やめろ!触るな!!気持ちわりぃ!!」
「…そんな、ひどい。俺、こんなにも好きで…。貴方のことだけを考えてきて、なのに…」
「うっ、…お、俺のどこを好きになったんだよ。どうせお前も見かけだけだろ」
「うおっふ!自信過剰発言、てかナルシス発言あざーっす!
俺が好きになったきっかけは、あの雨の日貴方が路地裏で捨て猫を優しげに抱いてたからで…」
「いや、待てそんな記憶一切ねーし。マジで忘れてるとかじゃなく。そもそも俺は雨の日は家にいるからありえねぇ。
それよりも、お前ほんとに俺が好きなのか?全然んな感じがしねぇんだけど」
「あれ、おかしいな。不良ラブのきっかけって大体そういうのじゃなかったっけ?」
「お前マジでどうして俺を好きになったんだ。てか、謝れ。誰かしらに謝れよ」
「だって、理由を聞くから何かしら理由をつけようかと…」
「それがまずおかしいんだよ!無理矢理理由つける馬鹿があるか!」
「ここにいます!」
「威張んなぁぁぁ!!」
遠くで鐘が鳴った。
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