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「…どうしよう。今にも吐血して気管が詰まって呼吸困難で死にそうだ」
「なんか生々しいね、その描写。ところで一体どうしたんだい。我が友人よ」
「あぁ、聞いてくれ…。最近俺はある人のことを脳裏に浮かべただけで動機息切れ目眩がするんだ。実際今もかなりヤバい、目の前が霞む」
「そうかい。それは恋なんじゃない?…と非常に言ってあげたいところなんだが、今の君はリアルに顔が真っ青でやばそうだから病院をおすすめするよ」
「…やっぱりか。なんだか自分でもうっすら気づいてたんだ。この胸の高鳴り、体の熱さ。間違いなく恋だと」
「間違いなく風邪だね」
「よし!そうとなれば俺は今からこの想いを告げに行くよ!」
「そうか決めたんだね、頑張って。途中で君が力尽きて逝かないように、僕は祈ってるよ」
「ありがとう!俺は君がいてくれて幸せだ!」
時間は昼休み。
決死の思いで友人に相談した俺は、脇目も振らず彼がいるであろう場所へ走った。
もう、自分でもこの気持ちを抑えきれないんだ――。
後ろで友人の声がした。
「あれ、ところで彼は次がテストだって覚えてるのかな」
きっと俺の応援をしたのだろう。
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