予鈴まであと10分って時。
ハヤシライスをちょうど食べ終えた頃、ざわっと食堂が揺れた。
それと同時に俺の腐センサーが機能し、電波をキャッチする。
――そうです!
こういう時は大概人気者が登場した時なのです!
そして今日は王道編入生という最大のイベントアイテムがある(いる)!
もうこれはその人気者と真琴の絡みしかないでしょ!?
ね、ね?ねぇ!!?
鼻息荒くした俺を、真琴以外のみんなが見ていたのは例により知らない。
しかも辻原君以外は半眼で見てたなんて知らない。知らないよ。
まぁ、そんなことよりこの食堂をゆらがすほどの人気者。
そんなのは限られてくる。
@生徒会。でももういるので除外。
Aは…
「てめぇらさっさと出てけ。飯がまずくなる」
「皆さん気にしないで食事を続けてください」
まさに外道!
…じゃなくて、俺様何様王様発言をかました背の高い野獣味あふれる美形と、それを窘めるように言った長身痩躯の柔和なオーラを持つ英国の王子のような美形。
生徒会とはまた違った華やかさを持つ二人。
何を隠しましょう、この方々は――