「いらない。」
わざわざ『。』を感じ取れるように言ってみた。
ついでに顔も背ける。
それに、秀介の形のいい眉が器用に片方跳ね上がった。
普通の平凡なら変顔に区分されるだろうに、イケメンがやってもただのイケメンとかなんなんだ。滅びろ。
どうやら俺が不機嫌なことに感づいたらしい秀介が
「ほら、まぁ…食おう。お前ハヤシライスが好きだろ?奢ってやるから」
とかなんとか言っちゃってるけど!
へっ!
秀介なんてもうしんねー!
例え奢ってくれたって、
今度はアイドル系のウェイターさんが頼んだハヤシライスを持ってきてくれたって、
それでさっきのカッコイイウェイターさんと従業員部屋でいちゃついてればいいとか妄想して、それが思った以上においしくたって、
そして今食べてるハヤシライスがすっごく上手いからって許してやんねーもんな!
「ねぇ秀介ー!そのチャーハン一口プリーズ!」
「お前ハヤシライス一つで機嫌直るんだな。やっぱ」
「……………」