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…と助けもとめりゃーヒーローあらわる!!
「…――それくらいにしとけ。恩田」
「辻原くぅんッ!!」
今まで出番があまりなかったのも、この為なんだね!
ああ!なんてステキなの!
ステキな攻め要員ッ!!
いや、俺に攻めて欲しい訳でもないけどねっ。
でも空気読めるって素晴らしいステータスです。
秀介とはまた違って。
「あれ、辻原。いたんだ?」
「(なんて非常な人の心えぐる一言!)」
「まぁな」
「(そしてそれをものともしない辻原君のかっこよさ!)」
この時、きっと何人かの心の声と重なった。うん。
とりあえず、拘束が緩んだので逃げさせて頂きます。
「あ」
「うわぁぁぁ!ありがとうありがとう!辻原君ーっ」
「…特にまだ何もしてないが…。よかったな」
過去に、頭を撫でてくれる辻原君の手がここまで安心感を与えてくれたことがあっただろうか。いや、ない。
それにしても、副会長…。
なんと恐ろしい子…!
ああでも今の、他の子(例えば今あそこでイカスミパスタを食べてる真琴とか)だったら萌えたかも…。
チッ
失敗したなー。
自分じゃ萌えねー。
……なんて、考えごとしてた俺に、
「…逃げられちゃったな。まぁ、次があるか」
と、ボソッと言った副会長の言葉なんか聞こえるはずがなかった。
ゾワッ
「(今の悪寒ナニ!?)」
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