06


時間など気にせず眠れてる感覚に、気持ちよく目が覚めるとそこには噂の金髪少年がいた。


「…宮侑くん…」

「…!やっと目覚ました!!」


安心した様子でその場に座りこむ彼。

私は全然状況が掴めなくて首を傾げた。


「覚えてへん?自分、ボール顔面に当たって気絶しとったんやで」

「え」


確かに言われてみると鼻が、というより顔面が痛い気がする。

しかも顔面にボールで気絶って恥ずかしいにも程がある。


「いや俺が思いっきり投げたせいやねん、ほんまごめんな?」

「は、はぁ…」

「でもめっちゃ凄い音したんやで、すこーん!ってな。俺凄ない?」

「いや、褒めてどうする…」


目をキラキラさせながら怪我させた本人目の前にして語りだす彼は、まるで無邪気で子供みたいだ。

いや、高校生だからまだ子供か?

そんな彼を見つめていると、まだジャージ姿なのが気になった。

時間はとっくにホームルームの時間を過ぎている。


「もしかして、体育終わってからずっと付き添ってくれたの?」

「当たり前やん、俺のせいやし心配やし」

「…結構優しいんだね」

「どういう意味なんそれ…!?」


この優しさがきっと女を誑かしているんだろう。

なんか少しだけ分かった気がした。




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