「で、何のご用ですか?ボス」



はやく寝たい、という意を込めて鋭く光る赤い瞳を見つめるがボスは顎で執務机のすぐそばにあるソファを指した。
私の願いなんて当然無視である。

仕方ない、と私はふかふかのソファに体を沈めた。そしてボスはゆっくり口を開く。



「…ジジィからの許可が下りた。」
「え?」



え、それって、



「……うっそぉ!?」
「嘘言ってどうする。本当だドカスが」
「……………………よしっ」



控えめにしてはいるものの(ボスに煩ェ、って殺されたくはないので)今私の脳内はフィーバー真っ最中である。眠気なんてとっくに宇宙の果てまでぶっ飛んだ。どうしよう今なら私死んでもいい。あ、嘘死んじゃ駄目だ。まあとにかく本当に有り難う9代目そして愛してる!



「但し条件があるそうだ。」
「え、なにそれ」



その言葉を待っていた、とばかりにXANXUXは口角を上げた。その表情が「彼」とそっくりで、私ははやく、はやく彼に会いたいと思った。



「"楽しんで"こい」


「!」




「それが」

「絶対条件だ」



うずうず。

それを聞いてくすぐったい気持ちになった。すごくすごく嬉しくて、このむず痒い気持ちを伝えたいのだけど、私はそんなに器用じゃないから、言葉がみつからない。



どうしたら、
この気持ちを伝えられるだろう

どうすれば、
このくすぐったさを止めることができるだろう


どうしたら、どうすれば




「ありがとう…っ!!…………っ兄さん、」




私にできるのは、できたのは、結局この一言を絞り出すことだった。






『XANXUX』


ボンゴレ独立暗殺部隊ヴァリアー、私達のボス。ボンゴレ9代目の息子。――そして、私の兄。
血は繋がっていなくとも、たった一人の大切な兄。たったひとりの兄。大好きな、大好きな、私の兄さん。


ボスなら、兄さんなら、この感謝の言葉ひとつできっと分かってくれるだろう。精一杯叫んだ、私の気持ちを。


着飾った言葉じゃ伝わらない。
(ありのままの言葉で伝えれば、伝わらないことなんてないのだから)





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