やっぱりグダグダだった★


あのあとも清斗は必死にヘタレじゃないと訴えかけたがみな聞く耳を持たずだった。まだその主張が続きそうだったので、創は無理矢理本題である企画を進めることにした

みなチームごとの机へと移動する。ちなみにチーム分けはこうなっている

あ!頭文字が「れ」から始まるね!恋&零チーム
不良とヘタレの組み合わせ面白いね!キド&清斗チーム
わぁ!進化前と進化後が揃ってるよ!堯&鈴希チーム
えへへ!ドSだなんて言わせないよ!風護&カイチーム
変態が保護者だって!あり得ないわ!蒼空&テツ&零音チーム

この五組のチームに分けられた
なんとも後先が不安になるチーム分けとなった。と言ってみたもののこの面子であればどんなチーム分けにしようが後先は不安かもしれない


蒼「ちょ、まって。この変態ってまさか僕のこと?」
創「お前以外に誰がいんだよ」
零「病院行け」
キド「ジョーイさんもお手上げかもな」
鈴「ドンマイとしか言いようがねぇ」
蒼「え?!なにこの攻撃?!なんで僕が頭おかしい人みたいになってんの?!」


次々と攻撃してくる奴らに必死になって抗議すれば、攻撃してきた者たちは「え?」と声をあげてから、かわいそうなモノを見るような目で蒼空を見た。その視線に耐えられなくなった蒼空は部屋の片隅で膝を抱えて、どよーんと落ち込み始めた
しかしそんな蒼空を慰めるわけでもなく、みんな話を進め始めたのだ。蒼空は「うん、だよね、分かってた」とブツブツと言いながら自分のチームへと向かった


創「よし、無事席に着いたことだからクイズ大会始めるぞー。あ、タイトルコールするか」


ドキ!ドキドキ!頭をフル回転させて答えよう!クイズ大会〜!

わー。と創は自分で声を出し(もちろんヤル気無し)、パチパチと怠そうに拍手をする
席に座った彼らも創に続くようにヤル気なさそうに拍手する者もいれば、頬杖ついたり、腕を組んだりして全く拍手しない者もいた

つまり、全体的にヤル気が無いのだ

しかし創も特に気にせず、寧ろ早く終わらせたいがためにあえて彼らのヤル気の無さにツッコミを入れずに、問題へと移った


創「はい、一問目から難題。このフリップをみろー」


創が出したのは一枚のフリップ
そこ描かれていたのは、真ん中に川と船、その左の岸には人間ぽい生物と豚と狼とえさと書かれた袋が描かれていた


創「ここに飼い主と豚と狼とえさがあります。さて、こいつらを船で川を挟んだ向かいの岸へ運べ」
鈴「あ?んなの簡単じゃねぇか」
創「慌てんな。この問題には続きがある。」
カイ「続き?」
創「そーだ。これには…サプリガードがある」
清「それパクリだからやめろ」


某IQ問題で有名な言葉をそのまま使えば、清斗から厳しいツッコミが入った。創は口を尖らせて「ちぇー固いなー」と拗ねたような口調で反論する
これにはまた切れかかったが、清斗はなんとか自分を制御して怒らずにすんだ。隣にいたキドによれば清斗のこめかみがピクピクしてたとか…


創「まぁ、この問題にはルールがあんだ。ルールってのが…」


その一、狼は飼い主がいないと豚を食う
その二、豚は飼い主がいないとえさを食う
その三、船は飼い主しか動かせない
その四、乗れる人数は2人。この場合だと飼い主1人と狼豚えさのどれか一つとなる


創「これらのルールを守って向かいの岸へ運べ以上!シンキングタイムは10分だ」


よーく考えろよ?とニヤリと笑う創のその言葉を合図にそれぞれ問題へと取り掛かった。
最初の問題と言えば頭を柔らかくするためにそこそこ簡単な問題を出すはずが、今回の場合は最初からクライマックスだぜ状態で難しい問題がやってきた

ただの計算とか常識問題とは違い、これはかなり頭を柔らかくして取り掛からないと解けないであろう問題であった
ところどころから、うーんと頭を悩ます声が聞こえたり、ヒソヒソと相談しあう声が聞こえたり、早速解答ボードに何か書き込む音が聞こえたりと、みんなヤル気なさそうに見せかけて、実は真剣に取り組んでいるのが分かった

悩ます彼らの姿を見て創は、ニヤニヤとしながら頑張れ頑張れと頭の中では応援し、自分は解答をチェックした。解答をみた瞬間に創は顔を歪ませる。
解答の説明が長いのだ。これは面倒臭がりの創にとっては嫌なことであったが、娘にちゃんとやらないと嫌いになるから!と言われたので、仕方ないやるかと思い、一つ息を吐いた

そしてピピーッ!とシンキングタイム終了の合図が部屋中に鳴り響いた。創は解答用紙から視線を外して、11人の方をみる


創「よーし、お前ら順番に解答ボードを出せよ?まずは恋&零チーム」


恋と零はお互いに顔を見合わせてはコクリと頷き、零が伏せていたボードを見せた


《飼い主が狼と豚とえさを食らい、腹に入れたまま向こうの岸へ渡る》


彼らのボードにはそう書かれており、他のチームはそれを見ては、おお〜と声を上げた。
この意味不明の解答を説明すると、飼い主が狼豚えさを食べるじゃん?それで船に乗って向こう岸に行けば飼い主と飼い主のお腹の中にいる狼豚えさが向こう岸に着いたことになるべ?と言うことだった
それにツッコミを入れたのはあの面倒臭がりの創だった


創「いやいや何言ってんのお前ら?!何物騒なこと言ってんの?!周りも関心するな!」


そう一喝すれば、恋が新たに解答ボードを見せた


《世の中弱肉強食なのです》

『おお〜』

創「全然おお〜じゃねぇ!いや、確かに弱肉強食の世界だけど、俺が求めてる解答はそれじゃない!みんな生きたまま向こうの岸へ運べって言ってんの!」
零「チィッ!わがままばっかり言いやがって」
創「うん、ごめん。これわがままじゃないから。当たり前のことを言ったまでだからな?!」


盛大に舌打ちをしてから文句を言う零は渋々といった感じでボードをまた伏せた。その様子を見た創はもう頭を抱えたくなった。まだ1チームの解答しか見ていないが、このあとの奴らもまともな解答をしてなさそうだ。そうなると自然とツッコミは俺がしなきゃいけない。そう思うとものすごく面倒臭くなったが、娘との約束があるために棄権するわけにもいかず、嫌々ながらも次のチームへと移った


創「…次、キド&清斗チーム」


フッとここで気づく。
このチームにはあの清斗がいる。ということはまだまともな解答が期待できる!そう考えると少しばかりか心が軽くなった

すると清斗がなにやら何枚かのボードを漁っていた。どうやらボードに色んな方法を書いていたのだろう。何枚も書いて、しかも適当に置いてしまったから答えを書いたボードが見当たらないのだろう
彼は俺の予想を裏切らなかった!と創が思っていれば、まだボードを漁る清斗を余所にキドが堂々とボードを見せた

これには清斗も創も驚いた
しかもボードに書かれていた内容は


《こいつ(清斗)を使う》

清「なんでだよ?!なんで俺を使うんだよ?!」
創「つか問題文ちゃんと読めよ!」


これには清斗も反論していた
問題文には「船で」と書いてあるのにキドはそれを完全無視をして、どこからそんな選択肢が出たのか知らないが「清斗を使う」と答えた。しかも真顔で。
創が問題文読め!と言えばキドは真顔のまま「ルールには必ずしも船を使えと書いてねぇ」とだけ言いのけた。すると周りから、おお〜と声が上がった

確かに必ずしも船を使えなんて書いて無いが、なぜ選択肢に無い清斗が出てくるのか。こいつの頭はどうなってんだと頭を抱えた

すると、次のチーム…堯&鈴希チームを筆頭にそれぞれ解答ボードを見せ始めた


堯《よし、みんなで清斗に乗ろう》
風《あーでも清斗はヘタレだから人を乗せて波乗り出来ないよー。》

清「ヘタレじゃねぇ!」

風《ま、ここは原型清斗を仰向けにさせて起き上がろうとジタバタしてる醜態を観賞しよう》
鈴《飼い主たちはどーすんだよ》
カイ《川に突き落として、自分たちで向こう岸まで泳がせる》
恋《なるほど》
零《答えはそれだとして、清斗の方は起き上がるにも起き上がれないように、清斗の嫌いなもんをぶちまけるか》
風《精wwww神wwww的wwwwダメージwwww》
カイ《ワロタ》
鈴《万が一起きたとしても滑るようにローションもぶちまけようぜ》
キド《ずっこける清斗とかツボだわ》
堯《動画撮らなきゃな》
恋《想像したら笑える。腹いてぇ》

創「お前ら喋って会話しろやあ!なんでボード越しの会話なの?!」
清「しかも、それ俺をただいじめてるだけじゃねえか?!お前らふざけんなよ?!おいこら!」


彼らはいつの間にか問題とは関係無しの解答ですら無く、ただ普通にボードに文字を書いてそれで普通にみんなと会話をし始めた。しかも内容は清斗をいじめることについての内容であり、さすがにブチ切れた清斗は原型であるカメックスになり、背中にある大砲から彼らに向けてカノンを発射し始めた
それに応戦するかのように続々と原型に戻って、各自の得意技をぶつけ合い、セットはぶっ壊れ、一部は水浸し、一部は燃え始めたり、あるところでは小さくだが爆発が起きたりと…なんともカオスな場面が出来上がった

そんな激しい交戦の中、蒼空&テツ&零音チームが静かに解答ボードを上げた




センセー、収集がつきません!

テツ「走りたいぃいい.…」
零音「お腹空いたああああ…」
蒼「もうちょっとの我慢だから、ね?」
テツ「ムリです!びゅーん!」
蒼「ちょ?!」
零音「あうーお腹空いたあー」がじがじ
蒼「いだだだだ!食いちぎられる!誰か助けてぇええええ!」



その後は零音による無音のうたうにより、みんなぐっすりと深い眠りにつきその場はおさまった。
企画を続行出来ないほど酷い惨状だったためクイズ大会は中止の形で終えた。もちろん、解答は全て間違えである





×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -