頂き捧げ | ナノ




し…んと静かになったこの空気で何か発言しようと思うが、何故だろう。言いだせん!お願い誰か発言して!100円あげるから!ね!
うーんうーんと一人唸っていれば、恋がこの沈黙を破った


「確かにそうだ。そう言うお前たちも、ポケモンなんだろ?」


恋の発言に更にあたし達は驚く。
え?何?堯くんは恋たちがポケモンだと分かった。恋も堯くんたちがポケモンだと言った。堯くんは恋の言葉を否定しないってことはポケモンなんだね。つまり?ポケモン同士は擬人化してもポケモンだと分かるってこと…なんだね?


「れ、恋くんたち…ポケモンなんだ…。え?てことは…ナマエちゃんは…トレーナーかな?」

「う、うん。ひよっこトレーナーだよ。そう言うサラちゃんも…トレーナー?」

「うん、私もひよっこトレーナーなんだ…」


二人で驚いたと言った顔で質問し合う。すると意外とサラちゃんとは共通点があって、驚きの連続だった。お互いして目をパチクリと開かせて顔を合わせていると、どちらかが先なんて分からないが、二人して「ぷ、ぐふふ、」と笑い始めた

地方は違うが、でもこんな直ぐ近くにあたしと共通点がある人と出会えるなんて…世界って狭いんだなぁ、って染み染み思っていた。それはサラちゃんも同じみたいで、またバッチリ目が合い、お互い微笑んだ

恋たちも灯勇くんたちと共通点があるみたいで、各自それぞれ親しく話していた
すると、ワイワイと賑わっている中、ぐううううう…と腹の虫が鳴る音が響き渡った。音は一つでは無く、二つだった。発信源の方を見れば、希色と茶矛くんが腹に両手をあてていた


「腹減ったー、早くいこーぜ。希色もそう思うだろ?」

「え、あ、う、ん。お腹、減った…」


いきなり振られてオドオドとしていたが、問いかけにしっかり答えた希色を見て、成長したな!と子の成長を見て喜ぶ母親の気分になっていた


「じゃあ、行こうか…?」

「うん、そうだね!」


サラちゃんの発言により、みな止まっていた足を再び動かし始めた。先頭には恋と堯くん。その後ろに夢と灯勇くん、茶矛くんと希色。そしてあたしとサラちゃん。その後ろには花火と零音くんが並んで歩いていた


「おま、それを、真顔で言う、ことか…ぶは」

「恋、何を笑っているんだ。おい答えろ」

「や、まってくれ、ちょ、たん…ぶふ」


何やら恋は堯くんの発言にツボって笑い始め、堯くんは何がおかしかったのかイマイチ分からなかったのか恋に問いただしてたり


「茶矛はね、たくさん食べるから多めに作るとして…あ、堯は好き嫌いあるんだ」

「んー、好き嫌いは無理矢理食べさせるとして、料理は希色くんも沢山食べるから…僕も手伝うよ」

「本当?助かるな〜」


夢と灯勇くんは料理のことについてほのぼのと話していて、マジでオカンだな…癒されるな…なんて思ったり


「俺な食べる係りなんだわ」

「食べ、る、係り?」

「そ、希色もなるか?食べる係り」

「ん!」


茶矛くんと希色はなんかよく分からない係りになって、二人で沢山食べるぞー!と意気込んでたり


「サラね、ここだけの話しだよ?あのね、サラね、お胸ね、ちっちゃいんだよ」

「えぇ?!ゼノノン、サラちゃんの胸触ったん?!」

「ううん。抱きついて分かるよ〜」

「せやか…。ナマエちゃんでさえ、あるちゅーのに…お気の毒にやな…」


零音くんは仕方ないとして、花火、お前はあとで死刑な。
チラリとサラちゃんを見れば、顔を真っ赤にさせて、零音たら…!と少し怒っていた。でも零音くんを目の前にしたらサラちゃんはきっと怒れないんだろうなー…と思いクスクスと笑った

そんなあたしに気付いたサラちゃんは、どうしたの?と首を傾げたが、あたしは首を横に振ってなんでもない。と答えた


「ねぇ、サラちゃん」

「なに、ナマエちゃん」

「また花見の季節になったら会おうね」

「うん!今度は私たちがそっちに行くね」

「楽しみに待ってる!」

「とりあえず今は、これからの花見を目一杯楽しもうよ」


ふわりと花が綻ぶかのように笑うサラちゃんにつられて、あたしもふわりと笑い、元気よく頷いた



花が咲く季節に







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