頂き捧げ | ナノ



そんなこんなでこの2人と共に一緒に行くことになった。あたしは二人でこの花見の場所に行くのか尋ねた。てかよく考えたらこの2人カップルだったら、あたしたち普通に邪魔やん。本当…すみません。全てはあの親馬鹿のせいなんです


「ううん。あと三人いるんだ。手分けして買い物をしてたんだ」


灯勇くんがそう答えてくれた。なるほどなるほど。だから二人の手には飲み物やら食べ物やらでたくさんつまれたビニール袋を二つずつ持っていたのか。
重たそうな荷物を見て、あたしはこの二人に少なからず迷惑かけているんだからせめてと思い、二人に荷物持つよと声をかけた

案の定、二人はやんわりと断った。だがそれで諦めるあたしじゃない!と意気込み、しつこく説得していれば、恋と花火が二人から荷物を強奪するかのように二人から荷物を奪った
あたしもサラちゃんたちも目を丸くして恋と花火を見ていたら、彼らは小さく微笑み「これくらい持てる」「楽勝やでー!」と言ってスタスタと歩き始めた

灯勇くんとサラちゃんは良いのかな…といった顔をしていたが重たそうな荷物×2を軽々と持って歩く二人の後ろ姿を見て、あたしは大丈夫大丈夫!と答えた

余談だが二人はカップルみたいじゃないから少しだけ安心した

何かを思い出したかのようにサラちゃんが、あっ!と声をこぼした。それを聞いたみんなはなんだろう?と苦笑いをしているサラちゃんを見た


「自己紹介が…まだ、だったよね?」

「………あぁっ!」


一番大事な自己紹介を忘れていた。あたし達は二人が名前を呼んでたからなんとなく分かるが、サラちゃん達からしたら、あたし達の名前…誰一人知らないもんね…!すっかり忘れてた!

改めて…と言わんばかりにあたしとサラちゃんは向き合った


「私の名前は「サラ!サラサラー!」…おおっふ!」


突如現れた紫の髪をした青年が勢いよくサラちゃんに抱きついた為に彼女は自分の名前を言えずとして終わった。…まぁ、抱きついてきた彼が名前を連呼してきたので名前は分かったけどね
勢いの良さに思わずサラちゃんは後ろへ倒れこむが地面と接触するまえに灯勇くんがなんとかサラちゃんの体を支えた
あたしはサラちゃんが倒れずに済み、ホッと安堵の息を吐いた。


「んー…サラの匂いー」

「零音…危ないよ、全く」


なんて言いつつもサラちゃんの顔は満更でもないみたいで、サラちゃんがどれだけ零音くん?を溺愛してるのかが分かった
灯勇くんが本当だよ。次からはダメだよ。と軽く注意すれば、零音くんはサラちゃんに抱きついたままションボリとして、ごめんなさぁい…と謝った

別に希色みたいに小さいわけではない。子どもでは無いが、彼の幼さを感じる言語や、感情が表情に出るところなどをみてるとこう…つい甘やかしてしまいそうな気分になってしまう。うん。零音くんくそ可愛い

零音くんの可愛さに悶々としていたら零音くんが来た方向から黒髪の人と青い髪の人がこちらに向かって走って来ていた。黒髪の人足速いなー…青い髪の人と結構な差をつけてるよ…なんて思いつつ見ていたら、青い髪の人は黒髪の人になにやら怒鳴っていたが…聞き取れなかった

黒髪の人が速く着くなり、荷物を掲げて灯勇くんの方へ向かい、買い物がこれで大丈夫だったのか聞きに行ってた


「灯勇。こんなもんで大丈夫か?」

「えーと、うん。大丈夫だね。」

「ぜぇ…なんだってんだよ零音のやろーいきなり走りやがって…」

「体力落ちたな」

「はぁ?!ちげぇよ!これはあれだ…あの、不意打ちだったし、荷物持ってたし!」

「俺も持ってるが?」

「お前のよりか重いんだよーだ!」

「二人ともいい加減にしないか。彼女たちが困ってるよ」


青い髪の人と黒髪の人が少しばかり言い争いを始めたのを見た灯勇くんがそれを止めた。ゾロゾロと登場した人物たちに空気化していたあたし達だが、青い髪の人がこちらに気付いた


「ん?誰だアンタたち」

「あ、さっき困ってるところ声をかけたの。行く場所が同じだから一緒に行こうと思って。えっと彼女たちは…」

「あたしナマエです!こっちが恋と花火と夢でこの子は希色です!」

「一緒にお邪魔するね」


サラちゃんが青い髪の人たちに先ほどまでの経緯を簡単に話し、あたし達を紹介しようとしたが名前を名乗ってないものだから言葉をつまらせた
それを見たあたしはみんなに手っ取り早く自己紹介をした。みんなサラちゃん御一行によろしくと伝える。夢は彼らに断りを入れて、希色はぺこりと頭を下げて夢の後ろに隠れた


「ふーん、あ、俺、茶矛。よろしくなー」

「改めて僕は灯勇です」

「私はサラ。ほら、零音も挨拶して」

「んー、零音です。よろしく?」

「堯だ。…それよかお前達もポケモン…だな?」


それぞれ軽く自己紹介をしていたところに堯くんが恋たちを見ては爆弾発言を落とした。一瞬その場にいた誰もが凍りついた。凍りついたと言っても、みんな驚いて固まってると言った方が正しいのかな。別にバレてやばい事じゃないし、それが悪いことでもないからその発言自体には問題ない。

あたし達が驚いているのは何故堯くんが恋たちを見て、ポケモンだと分かったのか…だ。
サラちゃんたちはあたし達と違う理由で驚いているみたいだけどね…






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