ヒウンシティに長いこと滞在しているハル達だが、今日ようやっと旅に出れる状況になったため、荷造りをしている。
各々、旅に向けて準備していると寝室のドアが勢いよく開かれた。出てきたのは寝巻きから制服に着替えたハル。みんな目を丸くして彼女を見ていると、ハルはそのまま正座をした。

「みんなにお願いがある」

何事だ。とみんなが思っているとハルは真剣な顔でそう言った。何か大切な、重大なことを言うのだと思い、4人は固唾を飲み込む。
そしてそのままハルは頭をおろし、デコを床につけた。所謂、土下座である
4人が慌ててる様をよそに、ハルは告げた


「ポケモンを捕まえたい」

一瞬だけ時間がとまった。


***


場所かわって、4番道路。
イワパレスが暴れた形跡はほぼなく、警察の人が1人2人巡回してる程度には落ち着いていた。

「うっし!みんな!行くよ!準備はいい?!あたしは大丈夫!」

『おれ、も、大丈夫!!』


ふんすと鼻息を荒くして元気モリモリなハルとそれに応える希色。そんな2人を3人は苦笑気味で見守る。
そしてハルはエナメルバッグを前に持ってきて、中を漁る。バッグから出てきたのはモンスターボール。

「モンスターボールよーし!」

『よーし!』


「スーパーボールよーし!!」

『よーし!!』


「ハイパーボールよーし!!!」

『よーし!!!』


「よっしゃあ!いつでもかかってこいやー!」

『こいやー!』


ボールをそれぞれ並べて、あることを確認しては拳を天に突き上げて張り切る。そんなハルの真似をして気合十分な希色。

ハルのお願いとは、一度でいいから野生のポケモンをバトルして捕まえたいとのことだった。ポケモンの世界に来たのだから、アニメやゲームのようにゲットしてみたい!というハルにとってはすごいワガママな願い事だった。
事情を知ってる恋は納得したが、花火や夢にとってはそんな当たり前のことをお願いとして言われて、なんじゃそりゃ状態だった。
そんな当たり前のことを言ってくるなんてハルは少し変わった子だなと花火と夢は思った。ちなみに希色は深く考えず二つ返事をした

「で!どこを歩けばポケモンと遭遇できる?!」

「そこの砂漠歩いたら会えるちゃうん?」


「わかった!いくよ、希色!」

『う、ん!』


『元気だね〜』

うおおおお!とニトロチャージのごとく燃えながら砂漠へ走っていくハル。周りのポケモンは変な人間が来たとびっくりして避ける始末。これでは当分野生のポケモンに出会えないだろう


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