サンギタウンのデカイ古時計を二人で見ては、デカイやら、すごいなどの感想をそれぞれ述べてから、20番道路を歩く。ここを少し歩けばサンギ牧場があるらしい。
これメイちゃん情報


「そーいえば、メイちゃんはどうしてサンギ牧場に?」

「うん。実はですね、ヒュウの奴ったらタウンマップを忘れ行ったみたいで…それを届けに行くんです」

「おーヒュウはドジっ子さんなんだね」


全くだよね!とメイが言ってから2人で笑い合った。

ちなみにメイの腕の中にはナノハ君、ハルの腕の中には希色がいる。希色も少しは大丈夫になったみたいでメイに対してあまりビクビクと怯えることはしなくなった。

これが主人公パワーって奴か?
なんて考えてたら、主人公パワーってなんだよぶふと笑われてしまった
前から思ってたんだけど、なんで思ってることがわかんの?エスパー?エスパーなの?


「あ、いたいた。おーいヒューウ!」


メイは手を大きく振りながら奥の方にいるヒュウのところへ向かう。ヒュウもこちらに気がついたようで軽く手をあげる
ハルはそんな二人の様子とすぐそこにあるサンギ牧場を見ながらメイのあとに続く
くそ、相変わらずイケメンだな!


「メイにハル。どうしたんだよ?」

「どうしたじゃないよ、はい。これタウンマップ」

「え、あぁ、ありがとう。忘れてたぜ」

「たくヒュウはー」


あははと笑うメイちと照れてるのか頬を赤くさせて人差し指で頬をポリポリとかくヒュウ
その二人の雰囲気がまるで新婚さんのようで、ハルは思わずニヤニヤと口角があがり、二人を見つめていた


『おっさんみたいだな…。ん?外見は女性、中身はおっさん…ぶっは』


おい、一人で言って一人で笑ってるぞ
なんか段々あたしの扱い酷くなってない?最初の方と比べて酷くなってない?なってるよねこれ。
泣くぞ。いい加減泣くぞ


『ハル?』

「希色だけだよ、あたしの味方は」


まだ笑ってるのか宝石は小さくカタカタと揺れていた。希色はなんのことか分からないのかこちらを見上げながらキョトンとした顔をしていた

たまらないくらいかわいいなくそ!!抱きしめてやるううう!

ぎゅうううと抱きしめると希色はわぁ!と驚いていたが次第にニコニコと笑顔になって抱きしめられていた


「お、コリンクじゃん。珍しいな」

『っ!』


ヒュウが希色に気づいたみたいでこちらに近寄ってくれば、希色はビクッと体を震わせた
ハルは大丈夫と意味合いで頭をひと撫でしてヒュウに希色を紹介した


「この子はコリンクの希色!えっと、実は…」

「あー…いいよ。理由を言わなくて大丈夫だぜ?俺はヒュウ。よろしくな?」


ヒュウはフッと優しい笑みを浮かべてそう言った。希色もおずおずとぺこりと頭を下げた

さすが主人公のライバル兼幼馴染だよね。心ひろっ。あたしもこんくらい広かったらなー…


『十分広いと俺は思うが』


「恋…まじでなんで分かったの」

『小さく呟いてた』


オーマイガー。なんてこったい
まじかよ。呟いてたのかよー!今まで心の中で言ってたこと全て口にしてたのかよー!恥ずかしいよー!ひえええ!


『…まぁ、周りには聞こえてないみたいだけどな』



良かったあああああああああ!
まじで安心した!不審者に思われてないね!良かった!うんうん!

一人安心していると二人が中に入らないか?とサンギ牧場を指差して言ってきたので、ハルはうんと頷いて三人で牧場の中に入った



「まぁ、大変!!」



談笑しつつサンギ牧場の中に入れば、女性の大きな声が聞こえた。
ハルたち三人は顔を見合わせては頷いて、声が聞こえた方へ駆け寄った





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