自分の無知さ無力さ馬鹿さを実感して、さらに涙がこみ上げてくる
泣いても、何も始まらないのに…。そう思い、これ以上泣いてたまるかと勢いで唇を噛み締め、耐えていると


「好きなだけ泣け」


「え、」

「今は泣け。怖かったこと、悔しかったこと、悲しかったこと、全てぶちまけろ。泣いて泣いて泣きまくれ。けどな、その思いは忘れるな。泣いたあと笑え。笑って、その思いをバネにしてみんなで強くなればいい。これから強くなればいい。俺たちはまだ、強くなれる。」



フッと笑い、ハルの頭をぐしゃぐしゃと撫でまわす。撫で方は多少荒かったが、それでもそれがすごく落ち着く


「おれ、つよ、く、なる…ッ!もっと、もっと、もっと!」


「俺も強くなるで。今度はハルちゃんたちを護るんや…!」

「っ…う、ん。あたし、も、強くなる…!強く、なって、みせる…!」


だから、今だけは、泣かして下さい


「うあ、あ、ああああああ…っ!」



ハルは恋に抱きついて久しぶりに大声で泣きじゃくった。はたから見たらその姿はきっと滑稽なのだろう。だけど、ハルはそんなことどうでもいい。
恋の胸の上でみっともなく涙をボロボロ流し、鼻水を垂らし、声をあげて泣きじゃくった

希色もハルにしがみついて、えっぐえっぐと泣き、花火は静かに涙を流してた


涙が引いた時、あたしたちはまた一歩と歩めるだろう。
恋が言った通り、泣いたあとは笑おう。そして、みんなで強くなろう


それぞれの想いを胸に抱き、ハルたちはそう誓った





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