「先行いただいた!ドガース体当たり!」
「希色かわしてからスパーク!」
体当たりをしてくるドガースを難なくかわし、態勢を整えてから赤い電気を体に纏い、ドガースに向かって行った
イマイチ反応出来なかったドガースは、スパークをもろにくらいすこし後ろへ飛んで行った
しかし、さすがジムリーダーのドガースと言うべきか…すぐに態勢を整え険しい表情一つ見せず、やる気満々と言わんばかりに再度体の中にあるガスをプシューと外へ出した
「いいねいいね!サイコーにロックじゃん!?ドガースえんまく!」
ぶわっと辺り一面に黒い靄が覆った
しまった…これじゃあ、どこから攻撃してくるのか分からない…!
焦る気持ちをどうにか落ち着かせようと深呼吸するが、やはり相手の姿と希色の姿が見えないのはとても不安で仕方が無い
「ドガース!体当たり!」
「!希色、よけて!」
よける指示を出したが、希色も相手の姿が見えないせいか、完全にはよけきれず微かに体当たりが当たってしまったようだ
すると向こう側からギィイイイとギターが鳴る音が聞こえた
「クライマックスじゃん!ドガース、最大威力で悪の波動!」
「き、希色!」
悪の波動が見事命中してしまい、希色の呻き声とドサッと倒れる音が聞こえた
まだ黒い靄がかかっていて見えないが希色はきっと倒れてる…。
まさか、戦闘不能…?
観客の歓声をBGMにハルは固唾を飲み込みながら靄をジッと見ていた。つぅ…と冷や汗が一筋流れると、靄の中から光が見えた
ハルもホミカも観客たちも、なんだあの光、と疑問を持ちながら、その光を見た。だんだん明るくなっていく光を見ていると、光によって出来た影が浮かび上がってきた。
光の発信源は…希色からだった
『コリンクはピンチになると全身の体毛が光るんだ。』
『コリンクの体質…ちゅーわけか』なるほど…。そー言うことなんだ…
希色が全身の体毛を光らせることで黒い靄の中の様子が影となって浮かび上がり、相手がどこにいるのかがよく分かる。
すごい…ゲームでは味わえないバトルの仕方だ…。ポケモンの体質をそのまま生かしバトルする…。これが実際のポケモンバトル…!
希色がこちらを見て力強く頷いたのを見て、ハルは口角がくいっと上がるのがわかった
「ホミカちゃん!一気に決めさせてもらうよ!」
「いいっっ!いいね!サイコーだよ、あんたらサイコー!だけど…勝つのは私じゃん!ドガース、ヘドロ爆弾!」
「姿が見えてればこっちのもん!希色、充電しながら避けて!」
ドガースの口から繰り出してくるヘドロを希色は軽々と避け、その間にバチィバチバチと充電をし始める
そして、ドガースに近づいたところにすかさず…
「雷の牙!」
靄の中からバチィ!と言う電気の音と辺りが一気に眩い光に包まれた。
煙幕の効果が切れ始めたのか辺りから靄が消え始め、フィールドの様子が分かった
フィールドに立っていたのは
「ドガース戦闘不能!コリンクの勝ち!」
観客からすごい歓声と共に希色の勝利が決まった
「やった!希色!お疲れ様!」
『ん!』
ジム戦で二度目となる勝利。
いやまだ、あと一匹残ってるけどね
なんだか希色が勝つとなると、とても嬉しくてついついぎゅっと抱きしめた。希色も嬉しいみたいでニコニコ笑っていた
ホミカはお疲れと言葉をかけて戦闘不能のドガースをモンスターボールに入れた
「あんた、やるじゃん」
「ホミカちゃんこそ!」
「まぁね。だーけーど!次は負けないし」
「こっちこそ」
希色をモンスターボールに戻し、お互いに二匹目となるモンスターボールを片手に持った
さぁ、二回戦目の始まりだ
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