生徒会室のドアを開く。部屋のずっと奥、其処には見慣れた人物。高級感漂うソファーに深く腰を掛け、読書に勤しむ人物は自身が捜し求めていた人物その人だ。何の用だ、決して此方を見るワケでもなくただ一言、吐き捨てる様に紡ぐ跡部。別に何も、オドケた様に笑えば嘘を吐けと一蹴された。


「用がなければ何故此処にいる」
『気分だよ』


そう自嘲気味に笑って答えれば、怪訝そうに目を細める跡部。何か理由がなきゃいけない、そう思考する跡部は頭が良いのにも関わらず硬いと思う。現に跡部は理解出来ないといった怪訝そうな表情を浮かべていた。お前はいつも何か理由があるだろう、溜息を一つ零しながら跡部は言うが違う。ただ、跡部が理由を求めるから作るだけであって、いつも本当に理由はない。今は授業中だやお前も少しは真面目になれだと、ウダウダいう跡部に手を添え、軽く口付けた。


「…何のつもりだ??」
『理由、だよ』
「あーん??」
『キミに、触れたい』
「何を馬鹿なことを…」
『本当、だよ??』


完璧を求める跡部は狼狽えさえも上手に隠しちゃうからキライ。


「はなこ……」
『もう黙って……』


そう言ってまたキスを一つ―…戸惑いながらもブルーの双眼はきちんと私を見据えていて、それだけで静かにだけど激しく心拍数が上がるのが判る。


「お前、何を……」
『しよ??跡部』


“何をするつもりだ”と問いたいのだろうケド、駄目だよ。意思の強い瞳がいつもと違い泳いでる。それを必死に隠すように強がっても既に遅い。…言わなくても判ってる癖に。


『跡部が欲しい。ねぇ跡部、跡部を頂戴』


啄む様にキスを幾度か落とせば、跡部の右手が後頭部へと回り深く口づけられた。…知らねえからな、そう言うや否や視界が反転。驚きとと緊張を交えながらもやはり嬉しくて、跡部の首にそっと両手を回し、これから起こるであろう行為に身を震わせた。






アイスブルーに魅せられて
何処までも見透かす様な瞳が好き。強い意思が感じられるのも。もっともっと、私を捕えて離さないで。君の熱に溺れていきたい


20100618

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