「ネズミーさんに会いたいやぁ、ネズミーランドに行きたいばぁよ」


全国大会が終わり一時大阪に滞在(ハゲちぶるの所為で)したものの、なんとかわったーはうちなーに帰ることが出来て最早2週間ほど経った。それなのに、“東京に行ったのにネズミーランドに行ってない!”と目の前の犬がきゃんきゃん騒ぎ立て始めたのだ。…何を今更。


「甲斐クン何を今更なことを言っているのです」


呆れたように言い放つ永四郎を筆頭にわったーは揃って賛同。いつもは裕次郎を擁護する立場にいる田仁志ですら、今回は「甲斐くんちゃーさびたが」と言っているくらいだ。


「だって、永四郎!全国で東京行ったらネズミーランド行っても良いって話だった筈じゃん!何で行ってないんさぁー!?」

「黙りなさい甲斐クン。訂正しますけど、“東京に行ったら”ではなく“全国で優勝したら”の約束でしょう?まぁ既に今更な話なので、わざわざ掘り返さなくて結構です」

「でもよー!」

「甲斐クン、クドい。ゴーヤー食わしますよ」

「…くっ!」


押し問答はものの5分で終結した。あんなけ駄々をこねていた裕次郎をあっさり片付けてしまう辺りまぶやー。永四郎何でもゴーヤーで片付くと思ってやがるさー。あの言葉を出されちまったらわんも裕次郎は手も足も出ない。つーか、全国大会優勝したらネズミーランド行くって話があったなんて今知ったし。


「裕次郎は何でネズミーランドに行きたいんばぁ?」


永四郎と裕次郎の押し問答が終わり着替えを再開していた矢先、不機嫌色を全面的に滲ませた裕次郎に着替えを早々に終えた知念が微かな疑問を投げかけていた。相変わらず着替えるの早いさぁ。知念に尋ねられた裕次郎はじっとり不貞腐れながらも、ポツリポツリとネズミーランドへの愛を語り始めた。


「やしが…雑誌でも取り上げられていて、」

「東京じゃ、でーじ有名さぁ」

「アトラクションもでーじ楽しそうで、」

「遊園地だからさー」

「しかも夢の国やっし、」

「まぁそれが売りですからね」

「だから、ネズミーさんと一緒にサンタもいるはずさー」

「「「「は?」」」」


なんやかんやで裕次郎の発言に耳を傾けていたが、何やら認識が可笑しい。わんの聞き違いか?そう思ったものの、全員か着替えの手を止め、ただ一心に裕次郎を見ている。わんの聞き間違いじゃあ、ない。


「裕次郎、」

「何だよ、凛」

「ぬーんちサンタが出てきたんばぁ?」

「?夢の国にサンタがいるってかーちゃんに聞いてたから、夢の国のネズミーランドなら居ても可笑しくないさぁ 」

「…やー、サンタのこと信じてねーらんよな?」

「はぁ?やー、わんのこと馬鹿にし過ぎさぁ!」

「だよな。わん焦ったさぁ…」

「でーじ有り得んさぁ」


サンタはいるに決まってるさぁ!
(「「「はぁ?」」」)
(「………………………」)
(「わん、今年は新しいラケットが欲しいさぁ」)
(「ちょ…、裕次郎…!」)
(「平古場クン」)
(「永四郎!?アイツ大丈夫ばぁ!?」)
(「彼は天然記念物ですので触れないであげて」)
(「「「(永四郎が慈愛に満ちた目をしてるさぁ…!)」」」)


長年裕次郎を傍で見てきた永四郎は
既に母親のような域な気がします。
赤也と同じサンタ信者なら可愛いなぁ(笑)

20130123



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