いたずら


『・・・あれ?』

なに?この状況。

なーんで、俺寝てるんだっけ?
しかも、――先輩たちと

川の字ってやつだよねこれ。
もちろん俺を真ん中にして、右が人魚先輩で左が眠り先輩。


あくびをひとつして、寝ていた体を上だけ起こすと、ゆっくりゆっくりと頭がすっきりしてくる。

あぁ、そっか。
授業サボってたら、眠くなって寝ちゃったんだっけ。

ふと、携帯で時間を確認すれば、もうその次の授業も始まっている。
今から戻ってもしょうがないよねー


ひとり納得すると、割と近い位置に並んでいるふたりの姫の顔を眺めてみることにする。

『黙ってれば、格好良いのにねー?』

とりあえず左の眠り先輩の髪を触ってみる。

うわーなかなか、良いさわり心地。

普段自分より背高いし、触る機会なんてあんまりないし
こういう時に触っとかないとね。


ある程度眠り姫の髪の毛を堪能して、今度は右の人魚先輩の方を向く。

『この人も、キレイだよね・・』

呟いて、やっぱり髪の毛を触る。
おおー、サラサラだー

なんだか楽しくなって、先輩の髪の毛に指を絡ませてくるくると回す。
サラサラなそれは、するっと俺の指を通って行く。

その感覚がまた楽しくて、もう一度やってみようと手を伸ばした時

グイッ――


『わわっ』

突然体勢が崩れて、咄嗟に手を出すと、パッとみ人魚先輩を俺が押し倒してる、みたいに見えなくもない感じになってる。

犯人はもちろん

『何するの?・・人魚先輩』

ため息を吐きながらその人に聞いてみる。

「俺は寝ている」
『・・子供か』

思わず普通にツッコミをいれてしまってから、この変な体勢に気づいてしまった。






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