抱き枕にはなりたくない

『おはよー』

「央ちゃん!?」

朝、学校に着いて早々に先に来ていた昴ちゃんに抱きつく。
あーいいねぇ、ちょうどいい高さと柔らかさなんだよねー

『もう昴ちゃん俺の専属抱き枕にならない?』
「ええっ!?」

顔真っ赤にしちゃってー、本当可愛いんだからー


「じゃー僕は央志くんのこと抱きまくるー」
『はぁ!?』
「あ、間違った。抱き枕ー」

・・どういう間違いだこのアホ。

「えー真白先輩ばっかりずるーい!」

「僕もー!」とか言ってくる親指と一緒に、白雪が昴ちゃんに抱きついてる俺の腰に抱きついてくる。
あ、ばか、俺わき腹とかダメ――


『ひゃっ・・!』

「「え?」」

ほうら、馬鹿変な声出ちゃったじゃんか!
なに、君ら。こっち見るな

『・・さっさと離せ』

抱き心地の良い昴ちゃんを泣く泣く離して、俺は白雪と親指の勝負開始だ。

周りから変な視線を注いでくる全員にバレないように密かに内心焦る。

別に弱点じゃないけどさ。違うけど
こいつら絶対やばい。面白がってくるよね絶対


「先輩可愛いーっ!!!」
「ねえ?もう一回今の可愛い声聞かせて?」

『あっ、馬鹿離せってば!』

昴ちゃんを離したことで、俺の前が空いてそこに親指が前から腰に抱きつく。


『だ、ダメだって・・!』

「もうちょっとですよ!真白先輩!」
「よーし、頑張ろー」

頑張らなくていい。
頑張らなくていいから!









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