ある日のこと

「はい、央志くんあーん」

口の前に出されるうさぎリンゴ。
そしてその先には白雪。

何が悲しくて男相手にあーんされなくちゃいけないんだよ!

「ほーら早く口開けないとー」


なぜこういう状況になったのか。
それは以前の右手首のせい。

あの後ちゃんと病院に行ってみると、軽い捻挫らしい。
普通に2週間くらい安静にしとけば治るって

それを知った白雪が罪悪感でも感じたのか、毎回リンゴを口元に運んでくるってなわけで。
その大半が奴がガッコーでむいたのだけど。

「え?罪悪感?あぁ、もちろん感じてるよ」

全然感じてないね
寧ろ忘れてたなこいつ。

「リンゴ好きじゃないの?美味しいよ?」

『リンゴは好き。君が嫌』

はいきっぱりいったったー

『それなら俺、昴ちゃんにあーんってしてもらいたいなぁ』

ね?、っと急に話を振ってみる。

「え、わ、私なんてっ」

もー!顔真っ赤にしちゃって可愛いんだから!!

『昴ちゃん可愛い!』

抱きついて

「うざい。」

すぐに仁が俺を引き剥がした。

あぁー俺の昴ちゃんがー
ってまあいつものことなんだけど。

『あ!仁が抱きついて欲しかったんだね!』

「は?違ぇし」

拒否は認めませーん。
これも、いつものこと。

って、痛い痛い!
そっち右手だからっ
捻挫してるから!

俺けが人なのにー






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