おつかい

『やってらんないよ、もー』
「ええやないか。ほれ、これで最後や」

職員室で新センセーの机のとこで、愚痴をこぼす。
ほれ、と渡されたのは大量のプリント。

――今は昼休み

こうなってしまった経緯は簡単。廊下あるってたらセンセーに捕まって、次の授業で使うプリントもってけって頼まれた。・・っていうよりは強制的だったけど

散々だ、今日は。
親指たちからはからかわれるし、メガネは変態だし。おまけに、新センセーにまで捕まって。


『絶対アイス』
「教師にたかるもんやないで。ほれ、行った行った」

しっし、と手で仰ぐセンセー。
くそう、どうにかしてアイスおごらせてやる、絶対。
前ふたつの分もセンセーに奢ってもらわないと割に合わない

『しつれーいしましたー』

やる気の全くないお決まりの言葉をあげて、職員室を後にした。






「・・・悪いけど」

――ん?
重いんだよセンセーのアホー、なんて小さく呟きながら自分たちの教室を目指して歩いていた時、聞き慣れた声が聞こえて思わず歩みを止めた。

あれは、仁。と、女の子?
・・ってことは、この現場は見ちゃまずいんじゃないの?

なんて、気づいた時にはもう遅い。
踵を返して、先を急ごうとした時には

「何やってんだ」

気づかれていた―― 







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