毒舌転校生
って違う違う! 雑念を振り払うように頭を振って。
「お、央志くんはここに来るまでどこに居たの!?」
最前列にいた女の子が真っ赤な顔をして聞く。
うわあ、可愛い…!
『あんたに関係なくない?』
それとは反対に放たれた毒舌。 相手は女の子なのに!
『っていうか会って初日に名前呼びって馴れ馴れしすぎ。』
突然に始まった彼の毒舌にみんな呆気に取られる。
って、おいこら!
『それで男がみんな喜ぶと思ったら大間違い…』
「ちょーっといいかな?央志くん?」
『あのさあ、人の話聞いてんの…って、あんた』
なんか言いたそう?
けど、今はそんなことどうでもいい。
「今の言い方はないんじゃない?彼女は君と仲良くなろうと…」
『そんなの分かってるよ。』
え? 予想外の返答に拍子抜けてしまって。
『ちゃんと最後まで聞いてくれるかな …昴ちゃん?』
「!?」
な、なぜ最後だけ耳元で言うんだ!? …っていうか。
今の呼び方、どこかで…
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