メガネのおなり 「また遊びましょーねっ」 「ね」
『遊ぶか、ばーか』
言って、ウィンクをかましてくるふたりをべーっと舌を出して、一応救世主さんにお礼を言っておこう。
『ありがと、助かった』 「今日のキーワードが"誰かを助ける"だったから」 『占い?』 「おう」 『・・だからか』 「当たり前だろ」
なんでどや顔だよ。 なんだか、感謝して損した気分・・
複雑な気持ちになりながら、仁の背中から出て、自分の席へ戻ろうとした時――
「相変わらず朝から鬱陶しいな、貴様ら」
『・・げっ』
メガネ=シンデレラさんのご登場だ。 手には早速掃除をしてきたのか、小さいmyちりとりと箒を持って、メガネの縁をくいっと上げながらこっちに向かって来る。
無意識に嫌な顔をしていまったらしい。 だって、だって。あいつ変態なんだもん。
『・・・変態メガネ』
本当に、本当に無意識だった。 思わず本音を呟いてしまった
それを、まさかヤツが聞き漏らしてくれているわけもなく
「・・ほう?」
不敵な笑みを浮かべる。
最近わかったんだよね。こいつがこんな笑い方の時は大抵、俺にとって良くないことを考えている時だ。
「そうか、貴様・・」 『な、なに』
思わず、後ろにさがると
『わっ』
つまずいて、自分の席に座ってしまった。 あ、っぶなー、なんてドキドキする心臓。
「・・・双見」
つぶやきながら、俺の頭をがしっと鷲掴みにする。 な、なにこの状況。
『・・な、?』
聞き返そうとした言葉を遮るように、俺の耳元に顔を寄せた。
「また、舐められたいのか――?」 『っ!?』
顔が近いのとか、耳元で囁くのとか、その内容とか。 もう全部が全部、心臓に悪くて。不可抗力で顔が赤くなって。
『なわけ、ない!!!』
全力で叫ぶのが、精一杯の抵抗だった。
→
[ 34/46 ] ←|index|→
|