王子の特権

『アホ白雪』

「…ごめんなさい」

手首にシップを貼って、包帯で固定して。
どうやらひねっちゃったぽい。

さらに残念なことに、やっちゃったのが利き手だったから、白雪に包帯を巻いてもらってる。




『あのさ』

手首に優しく優しく包帯を巻く白雪に向かって言う。

やめろ、こっちを見るな
俺の手首見とけ。

『あんたに命令される筋合いないからさ』

相変わらずこっちを見ようとする白雪の頭を空いてる左手で抑えて。

『何をしようと俺の勝手でしょ?』

ほーら、止まんな
手を動かせー

『でも、あんたらが姫で俺が王子でさ』

左手で頭を抑えたまま、横から顔を覗き込む。

『姫は王子に助けられる運命じゃないの?』

ニッコリ微笑んで

『だったら、黙って助けられてれば?』

言ってやった!


「央志くん…」

『は?』

「一生ついていきます!!」

ぎゃー!!!
白雪が抱きついてくる。

もちろん、右手への考慮はない。


『痛ぇええええ!!』

本日二度目の雄叫び。

ま、お約束だよねー
あー痛い。痛い。

「央志くん」

『何』

「これからも僕のこと、守ってね?」

『…自己的には認めません』

「僕の王子様だもんね?」

――変なこと言わなきゃ良かったかも



04 end


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