目を覚ませば

『ん、…』

うっすら目を開ける。

ぼー、っとする頭。
なんだここ。どこだ。

白い天井、に

『しら、ゆき?』

よく見たら、天井よりも近い位置に見える白雪の顔。

あ、そっか。
こいつ庇って、落ちたんだっけ

「…よかった、目覚めて」

なに心底安心したような声出してんだよ

『階段から落ちるくらいで、死ぬわけないでしょ』

「いや、死ぬかもしれないじゃん」

本当によかった、なんて
また笑って、頭を撫でてくる。

「ここ、たんこぶ出来たね」

『えー、通りで痛いわけだ』

体を起こして、そのたんこぶの位置を触ってみる。

ぽこってなってるじゃん、もー。


『慰謝料請求する』

「えー、じゃあコレで」

渡されたのは、毎度おなじみのリンゴ
…いらないよ、リンゴなんて。


っていうか

『お前は大丈夫なわけ?』

せっかく助けたのに、寝てなくて大丈夫なの?この人
別に心配してるわけじゃないけどねー

「僕は慣れっこだからね」

それで片付けるのもどうよ
前世のが受け継がれてるから、か。
大変だねー、いやほんと





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