真白side

ぱっ、と目が覚めた。

天井は白い。
もう見慣れた保健室。

どうやら、また倒れたらしい

はあー、今日はどこで倒れちゃったんだろ。

移動教室しよう、って動いてたのは覚えてるんだけどなー


「起きたか、雪梨」

シャっと保健室のベットのカーテンが開いて、姿を見せたのはこちらも見慣れた榊センセー。

「どうもー」

ベットに寝転がりつつ、天井を見つつ

「ったく、お前貧血すんのはいいが、場所を考えろよな」

「えー場所ー?」

なんて無茶なこと言うのー
自分でそんなこと調節できるなんて、器用な人いませんってー。

「階段で倒れたんだぞ?」

「階段?」

階段で倒れたにしては、どこも痛くないけど。
あえて言うなら、腰がちょっと痛いくらい


「ったく、どこも怪我なくて当然だ。
双見が庇ったんだとよ、お前を」

「え…?」

央志くん、が?僕を?

「そんときにちょっと頭を打ったらしくてな。
軽い脳震盪起こして、今は寝てる」

顎でクイッと隣のベットを指す。

「起きてすぐで悪いが、職員室に用があってな。双見のこと頼むぞ」

僕の了承を聞く前に、榊先生は保健室を出て行った。


隣のベットのカーテンで遮られている中に入る。

双見くんが寝てる。
僕を、庇って。怪我まで、して。

「ごめんね、ありがとう…」

呟いて、頭を撫でた。
あ、たんこぶ――








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