陣地争奪戦

陣地ってなんだよー!

今ここには俺が寝てるんだから、つまり俺の場所!

「どけっつの」
『いーやーだー!』

その後少しの間攻防戦が続き。

「この野郎…」
『へっへーん!』

すっげー睨んでくるけど、怖くないもーん。
…少ししか。

ニッコリ笑って、再度布団を直し、もう一度包まる。

あー、なんか仁のこれいいわー。
俺のもこれにしよっかな。
あ、ていうかこれもらってけばいいんじゃね?


「…」

俺あったま良いー!とか思ってると。

――ギシッ

『は?』

ちょっとちょっと。
なんで無言でベット登ってくるんだよ。

『おい、仁…?』

マジで、なんか喋れって!

『…!』

俺が寝ている顔の横に手をおき、見下ろしてくる。

もう見慣れた顔だけど!
黙って見下ろされたら…やばいって!


『仁、ほんと、…!』

顔に熱が集まってるのが分かる。

『どくから…!』

もうこうなったら、無理。絶対無理。
顔を手で隠しながら、負けの一言を言えば。


「楽勝」

にやりと笑う、悪魔みたいな男。

『仁のアホ』

なんとか悪態を返す。

っていうか早くどけよ、仁。
この状況だれかに見られたら――

「仁!央ちゃん!お母さんが呼ん…」

あっれー、昴ちゃんじゃない。
いらっしゃい、いらっしゃい
あれあれ?なんで顔赤いの?
ちょっとちょっと無言で部屋出ていこうとしないで?

誤解してるんじゃない?
……ちょっと昴ちゃん!?





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