さようなら

「ったく、めんどくせえ

おい煤原、雪梨。
その辺にしといてやれ」

ため息をつきながら
気だるそうに仁が言えば


「…まぁいいだろう」

「しょうがないなー」

文句をいいながらも
俺を解放するふたり。

うわあー助かった…


『仁、まじ好き。
ほんとありがと』

「…アホか。今日はウチ寄ってくんだろ、早く帰んぞ」

もう惚れそうな勢いだよ
きゃー黒森くーんって。

家路の方に歩き出す仁

『はいよー』

適当に返事をして
そんな仁の後を追おうとしていると。

あ、昴ちゃん
固まっちゃってる?


『昴ちゃーん?』

放心状態の彼女を覗き込んで名前を呼ぶ。

「えっな、なに?」

『どしたの、帰ろ?』

「う、うん。
さっきの央志くんが、すっごく可愛くてつい…」

真っ赤な顔しながら
それを背ける昴ちゃん

『可愛いのはお前だー』

そう言って抱きつけば
慌てふためく。
ほんと、可愛いなぁー

『あだっ』
「早くしろっての」

昴ちゃん堪能してたのに
またもや頭を叩かれる。

なんだー俺ばっかり。


『へーへ
じゃあな、お前ら』


さっきのは
なるべくナシの方向で。

さあて、気分切り換えて
俺も仁の家に向かうとしましょうかね。






. 02 end

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