3対3でやっちゃて

「いやー、お綺麗ですね、みなさんホント」
「本当本当。モデルと見間違っちゃいますよ」
「キャー!!脚長っ顔ちっさ!!!」

『…はぁ』

すっかり引いていると思った3人は、実は全くの逆で。
まあ見事に褒めちぎってくれている。


「やあねー、綺麗だなんてそんな本当のこと」
「もう、みんな可愛い顔してるわねー」
「ほんとほんと!」

単純な姉貴たちも、それはもう上機嫌で。

そしてそれをちょっと遠目に眺める俺。
なにあいつら。なんであんな元気だよ。


「長女の匠美(たくみ)よ」
「わたしは次女の晴美(はるみ)」
「三女の愛美(あみ)」

「俺、牧主税っす」
「野上英敏だ」
「アタシは、花井でーす!花ちゃんって呼んでください!」

そうこうしてる間に、自己紹介タイムが始まったらしい。
もうなんか俺いらなくないか、これ。

あいつらだけで楽しめばいいんじゃん?ねえ?


「じゃ、栖鳳の校内案内始めまっしょっか!」

そうだ、いいぞ牧。
どんどん先陣を切っていけ。

そのうちに俺は帰る。


「「「行くわよ、颯天」」」
『…へいへい』

って。
そんな簡単に行くわけないよなー

そうして一瀬家姉軍団が率いる一行は、校内へと足を踏み入れたのだった。





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