花火のお誘い

その民家まで送ることになり、そこまでの道のりを歩っていると。


『あれ。牧だ』

電話が鳴った。
(姉貴たちの獲物を狙うような目線は無視しよう)



『なに?』

[なにじゃないよ!今どこにいんの?]

『あー』

…どこだここ。

『山田さん宅まであと100メーター』

[はぁ?よく分かんないけど今から花火やんない?]

『花火?』


牧によれば。
なんか急遽花火をやろうって企画が持ち上がったらしい。
花井が岸田商店に花火を買いに出たそうだ。

まぁそれはいいとして。
『なんで花火?』

[夏にできなかったことをやろう企画!]

『…ふーん』

やっぱりくだらね。

[こっち来る?]

『いや花井と合流する』

[オッケー。じゃ待ってるよ!]

『あいよ』


返事をして電話を切る。

「花火やるの?」

『らしい』

「私たちも…」

『来んな』

「えー」

『えー、じゃねえよ。男子校だぞ?危ねーだろうが』


…あいつらがな。
特に神木、牧、野上とかその辺はやばい。食われる。

「あらー。私たちのこと心配してくれてるのー?」

「優しい弟とを持つと幸せねーっ」

『ははは』

…とりあえず。
勘違いしてくれてる姉貴らに感謝。







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