栖鳳の地元ツアー
秋服が入った段ボールをダッシュで寮まで運び、またダッシュで姉貴たちのもとに戻る。
それからあれを見たいこれを見たいっていう(そんな大したもんもないけど)姉たちの声で色んなとこを案内してやって。
(学校には何かと危険だからって遠ざけていた)
そんなこんなで時間も過ぎていき、またフェリー乗り場のベンチへとこいつらを連れてきたとこ。
『フェリー出んぞ。早く乗れよ』
「今日は帰らないわよ?」
『はぁ!?』
「言ってなかったかしら」
…聞いてねぇよ。
『じゃどーすんだよ』
「あんたの部屋」
『無理だから。2人部屋だし女禁』
「えー」とかなんとか口を尖らせる。
…年考えろよ、とか言ったら殺されんな。多分。
「ま、安心なさい。そう言われると思って、さっきの民家の方に泊めて貰うことになったから」
…いつ頼んだんだよ。
『で?いつ帰るわけ?』
「そうねえ…」
各々に月曜には仕事があるらしい。
だから明日(日曜)の最終フェリーだとか。
『んな忙しいんなら別に来なくても』
「「「だってアンタに会いたかったんだもの」」」
…なんでそこハモる。
『…恥ずかしい奴ら』
って。姉貴たちにんなこと言われて赤くなってる俺も、結構恥ずかしいと思うわけで。
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