誤解


『もし見えるなんていうやついたら、頭腐ってるとしか思えねーって』

「それもそうだな」

神木が笑いながら腕を離した時。


――ガチャ

「おい。一瀬ちょっと手伝っ」

『あ、うぃっす』

扉が開いたかと思うと体育のセンセーだった。

なぜかこっちを見て固まってる。


『…なんすか』

「あ、いや。やっぱりいい。牧たちに頼んでくる」


そう言いながらナゼか扉を閉められた。

『なんだ?意味わかんね』

「見えたんじゃねえ?」

『何が』

「デキてるように」


『…誰が』

「お前と俺が」


『…とりあえず』

「あぁ」

『頭腐ってんじゃねーぞクソセンコー!!!』

「ははっ」

テメーも笑ってんじゃねえ!


しかもなんかムダに気使われたじゃねえかよ。

…っざけんなよ、まじで。



『バ神木』

「おっいいなソレ」

『…お前』

「ん?」

『…いやいいや』

「ははっ」

そうだった。たまーに神木ってめちゃめちゃアホだったんだっけ。


『もーいいや。とりあえずジュース奢れ』

「…覚えてたのか」

『当然』


その後俺たちは体育の後の一杯(ジュースで)を堪能したのだった。


(それから少しの間。一瀬と神木がデキてるとかデキてないとかの噂が流れたらしい。その真相をしろうとすれば生きては帰れない、という噂と共に。)





end

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テーマ「人外ファンタジー」
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