勝利のジュース

『…すっげーな花井』

「…おし、続きやろうぜ」

『触れてやれよ…』

苦笑しながらも、試合は続行されたのだった。


*


『ジュースいぇーい』

「…くっそー」

更衣室でテンション高い俺と悔しそうに項垂れる神木。

お分かりだろうが。
さっきの勝負俺が勝ったんだよねー。

最近俺たちの間では色々と賭け事が流行ってて。

因みに今日は負けた方がジュース驕りだった。


「ちっさいからって油断してたー」

『あんだとコラ』

スポーツは身長じゃねーんだってことを示してやったぜ!


『じゃ、いつものよろしく』

「はいはい」

俺に負けたのが結構ショックだったようで、まだテンションが戻ってこない。

『んだよー。んな落ち込むなって。またいつでも勝負してやっからさ』

な?と笑ってみせると

「その上から目線が余計にうぜーんだよなー」

笑いながら俺の首に手をかけてくる。

「このやろ!」

『うわっ馬鹿痛ぇって』

「はははっ」

『笑ってんな!』

「いやしかし本当にちっさいな」

『うるせえ。お前がでけーんだって』


「…なぁ」

『あ?』

もう首に巻かれた手とかどーでも良くなってきた。

「これって遠くから見たら恋人に見えたりすんのかな」

『はぁ?しねーだろ』

「そうか。しねーか」

『当たり前だろ』

何考えてんだこいつ。






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テーマ「人外ファンタジー」
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