おかえり野上くん
ある日、牧にプレゼントがあるから部屋に来いって電話があった。
『おっじゃましまー』
「よお」
あれ。なんかメガネの幽霊がいる。
『部屋間違えましたー』
「まあ待て」
部屋戻ろうとしたら襟首捕まれた。
「どうした一瀬。俺に会えて嬉しいのか」
『あーもーちょー嬉しい。だから離せ』
「そうだろう」と満足気に頷いて、野上(本物)はやっと襟首を離した。
『ったく。おい牧。プレゼントってまさかコレじゃねーだろうな』
コレとはもちろん野上。
「あー違う違う。野上から貰った新作ポテチをお裾分けしよーと思って」
『え。なにそれ…うわゴーヤチャンプルってまじかよ』
俺だったら絶対買わねーわ。
『つーか野上は腹治った?』
「ああ。もうバッチリ完治したさ」
『ふーん。良かったね』
「それよりお前ら!病院はいいぞぉ。白衣のおねーさんがゴロゴロいるからな!」
言って、野上は嘘だか本当だかよく分からない(俺は半分以上妄想だと思ってる)自慢話を語ってきた。
なんかよくわかんねえ。
よくわかんねえけど、コイツら(野上はもちろん牧含む)は馬鹿だってことだけは分かった。
「いやぁしかし」
『あ?んだよ。人の顔見て』
「お前、顔だけなら女だしな…うーーん。抱いてやってもいいんだが…あ、下半身見ずにならなんとか…」
『いらねーってそういうの。抱いてもらわなくていい』
「遠慮することないぞ」
『してねーよ』
やっぱアホだ。
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