恋愛相談室

「あたしはあたしなりにちゃんとミキが好きだったし、心配もしてたのよ」

『んー』

「乙女心って難しいわね…」

食堂のプリンを買い与えて(不味いと絶賛の品)、話を聞いていればポツリポツリと語りだした。

…なんっつーか。


『言葉にはしたのか?』

「え?」

『好きだ、とか。お前が心配だ、とかさ。ちゃんと声に出して言ったのかって』

「それは…」

『言わないで、感じ取ってくれ。は難しいんじゃねーか?』

「うん…」

『それと。木梨のこと。良く見といてやれよ』

「見る…?」

『いや。まあなんでもねー』

やば。言い過ぎたか?
黙ってしまった花井に少し焦りを感じて、フォロー入れとく。


『なんつってな。俺は当事者でもなんでもねーからわかんねーけどよ。今のも姉貴たちの受け売りだし』

あの馬鹿女どもに叩き込まれた【オンナゴコロ】。
まさか男子校に入って役立つとは思わなかった。


「…素敵なお姉様ね」

『さあな。凶暴だしデカイから俺からしたら怖ぇだけたけど』

笑って言えば、花井もいつものように笑みに戻っていた。


「ありがとう颯天くん!そうよね。口に出して初めて伝わるのよね!」

『おー』

「あたしミキに謝って、ちゃんと伝える!」

『その意気だ。もーそろそろ牧が連れてくるだろうから、俺の部屋に…』

―ドタドタドタッ


誰だようっせーな。
走ってんじゃねーよ

―バンッ

「花井ーーーーッ!!」

扉が開くと同時に顔を出したのは、牧だった。
しかもその手はしっかりと木梨が握られていて。

…なにやってんだ、あいつ。








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