彼女のココロ

夕食を運んできて、それを食べる木梨とそれを観察する俺。

『不味いっしょ?』

「え、そんなことないよっ」

『いいよ。慣れないとキツいってここのは』

笑いながら言えば、木梨は苦笑いで答えた。


あらかた食べ終わった時

「なんか颯天君と話すのすっごい楽!」

ニッコリ笑って言われた。
あー、くそ。やっぱ可愛いな。

『そ?サンキュ。俺も木梨にはあんま気は使わねーから楽』

「なんかそれはそれで女として複雑なんだけど」

言って、いじけたように笑った
…まじか。
よくわかんねえ、女って。


「花井君とは、話すだけでいっぱいいっぱいなのにね…」

『そっか』

「…分かった?」

『何となく、な。ウチ姉貴が3人いっから、そういうの嫌でも目につくように仕込まれてんだ』

「…そっか。分かって欲しかったの花井君にも」

『演技だって?』

「…うん。花井君がそうだったみたいに」

『…気づいてたのか』

「勘、だったんだけど。段々そうなのかなって」

『すげーな。女の勘』

笑って言えば、木梨も笑った。


「ありがとう。颯天くん。話聞いてもらえてよかった」

『ん。こっちこそ。話してくれてサンキューな』

なんとなく前にあった頭をくしゃくしゃと撫でる。

「ん?」

『あ、悪い。なんか触りたくなった』

…って。
変態みてーじゃねーか。







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