花井の本気

そのあと分かったこと。

「すごい田舎で案内するようなトコもないけど」

男バージョン花井は、かなりのイケメンで。

「来てくれて嬉しいよ。俺は」

だってアイツの後ろにキラキラしたの見えんもん。

まぁ、俺はそんな花井のギャップに『ぶはっ…くくっ』なんて。笑いを堪えるので精一杯だったんだけど。



元からルックスが良いのもあり、加えて乙女系の性格を活かして女の気持ちが分かると来た。

「花井君、ウチの中学じゃすっごいもてたんだよー。かっこいいし」

…そりゃモテるわ。


ふと牧に目を移せば、木梨にニッコリ微笑んでいて。

…なにやってんだか。


「おい聞いたかよ!俺のこと可愛いって」

『…ちゃんと聞いとけ』

花井にこそっと耳打ちをする木梨。
けれどその声は用意に聞き取ることができて。

「男のコにもてそー」

『くくっ……牧?』

笑いを堪えながら牧を伺えば

「3Dの女のコは残酷だ…」

とか呟いて項垂れていた。

その様子にまた笑って、あまりにも可哀想だったから頭撫でといてやった。


*


「短い間だったけど会えて嬉しかった、ミキ…」

「花井君…」

キラキラした何かを振り撒きながらお決まりのセリフを言っている花井。

「石投げていいかなー」

『止めとけって。…あー俺もう笑いすぎて腹痛ぇー』

恨めしそうに見つめる牧を慰めながら、腹を擦って笑いまくってつっているそれを労っていた。







[ 33/88 ]




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -