花井の彼女
さあ次の日になった。
協力するとは言ったが、めんどくさい事はごめんだったので、寮で待ってようとしたんだけど。
牧と花井に連れ拐われた。
『おい。こういうの何て言うか知ってるか』
「わかんなーい」
『拉致、または誘拐っつーんだよ!』
引っ張られていた腕を無理矢理ほどいて、牧に向かって叫んだ。
「細かいかと気にしなーい。
だって久々に3Dの女の子に会えるんだよ!?」
『…だから?』
「だからって君…。はぁ、分かってないなぁ!」
牧の意味不明な説教(しかもムダに長い)が始まろうとした時。
「フェリー来たぞ!」
誰かが言うのと同時に牧はかなり期待に満ちた目を向けて。
『アホか』
呟いてちょっと離れたとこに立っててみる。
だって気になる…
花井の彼女ってどんな子なんだろう。
花井も顔はいいからなー
結構可愛い系の子だったりしたら、アイツらから守らねーと。
「こんにちはっ
木梨ミキっていいます」
『どーも。花井の同クラの一瀬颯天っす』
一応挨拶して。
一方他の奴らはと言うと
…なんか拝んでた。
「?なに?」
「気にしなくていいから」
困惑する木梨の手を引き歩き出す花井、とそれについていく俺たち。
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