俺の場合

「じゃあそういう一瀬はどうなの?」

『あー俺?』

そう言えば考えてなかった。
どーしよ


『んーとね、とりあえず俺のこと好きでー』

「うん、で?」

『えーっと…優しい子』

「それで?」

『あー笑顔が可愛いいとか?』

「んで?」

『以上』

「えええ!?」

んだよ、うっせーな。

『十分出しただろ』

不満気な顔をする牧にこっちも不満気に返事をして

「つーか」

『あ?』

ふと神木が神妙な顔をして声を漏らすから、何かがあったのかと思った。


「想像できない」

『なにを』

「一瀬と女の子が一緒にいるとこ」

…はぁ?

「…確かに」

いや確かにじゃねーよ。
なに納得してんだよ


『ちなみに聞くけどなんで』

「女の子ふたりが歩いてるようにしか見えな」

『もういい』

分かってたけどさ。
つーか俺の顔ネタにしすぎ。


『寝る』

「えー盛り上がって来たのに」

どこがだよ。


『神木』

「ん?」

『肩貸せ』

当人の了承を得る前に頭を隣りの神木に乗っける。

おー意外にいけるかもこれ。


『じゃ、おやすみ』

「え、ちょ、一瀬?」

牧の呼び掛けをシカトして俺は段々と意識を手放していった。

頭の片隅で「俺のすばらしい演説を聞くまで寝るんじゃないぞ!」とか野上が言ってた気がするなーとか思ったけど。

…やっぱり睡魔には勝てなかった。






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