めんどくさいあれ
さてさてやってきましたよ
え?何かって?そんなのもちろん決まってる。
『めんどくさい』
「行進はしたんだから後は座ってるだけだろ」
やっぱり爽やかに神木。
『それにしてもめんどい』
「入学式が楽しいなんて聞いたことないでしょ?」
それもそうなんだがね牧くん
入学式をサボろうとした俺は呆気なく自分よりもデカイ奴ら(神木と新)に連れ戻され。
嫌々に座った式の自分の席で悪態をついていた所だ。
偶然にも(本当に偶然)俺の右隣りが神木で左隣りが牧っていう席順になり(新は離れちまった)、今現在3人で(一応小声)話しているってなわけで。
『だって見ろよ。この黒一色。華がねーよ』
自分の席から少々見渡せば、黒しか見えない。
なによりこれがテンション下がる一番の原因。
「いるじゃんここに」
『なにが?』
「華」
言われて両隣りを見て、まあ確かにと頷く。
本当コイツら顔はイケメンだよなー。顔は。
『まあそうだけどさー
俺は女の子が欲しい』
「いやだからいるだろ」
『どこに』
「ん」
指を指すな。
つーか俺は少し女顔なだけで断じて女じゃない。
『…殴るぞ』
「ははは」
「まあ落ち着きなって君ら」
→
[ 15/88 ]