彼女になるなら
「毎度のことながらそんだけしか食わないの?」
『腹減ってない』
牧に適当に返す。
今日はなんか定食っぽいやつだったが、申し訳ないことに残しちまった半分くらい。
「ほら」
『ん。悪ぃな』
そしてそれを神木が食う、これもまた日課。
飯を残すのは本当に申し訳ないと思うから、それを食べてくれる神木にはまじ感謝してる。
「サプリメントを与えてやろう!さあ食え!」
『なんで上からだよ。いんねーし』
野上のサプリメントを断って
『そんなんばっか食ってっと腹ん中おかしくなんぞ』
「ならん!お前らと一緒にするな!」
『いや、俺らもなったことねーけどな』
野上はかなり頭良いらしい(自分で言ってた)けど、本当は馬鹿なんじゃないかと(勝手に)思ってる。
んなこと言ったらめんどいから言わねーけど。
「しかし颯天は実際もっと食った方がいいぞ」
なんか無駄に頭をぐしゃぐしゃ撫でながら言うのは新くん。
『心配してくれてんのかー』
「当たり前だろ」
『…俺、女になったら新に惚れることにする』
新のデカイ手に頭を撫でられるのはなんか好きで、しかも怖い顔してなんだかんだ優しいから、すっげーイイ奴だと思うわけよ。
「なんで源田!?」
『えーイイ奴だから』
なんか食いついてきた牧に適当に返して
「んじゃ俺は?」
『神木ぃ?』
またもやなんか食いついてきた神木を見る。
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