弱い、弱すぎる

それをしゃがんで避けて、そのまま足払い。

「うわっ」

ひとり倒れた。

『はい、お前、退場』

そいつに向かって言えば、周りのやつがまた来る。
今度はふたり同時に殴りかかってきた。

ひとりの腕を受け流して、ひとりを掴む。
片方を掴んだまま、受け流した方に上段蹴り、を顔の前で寸止めする。

「はっ!?」
『はい、お前もダメー』

ビビって座り込んだのを確認して、掴んでいた奴に正拳突き、のフリ。

「うわっ!?」
『はい、アウトー』

こいつもまた、びびって顔を隠したから、アウトな。

「ち、ちくしょー!」

後ろから殴ろうとしていた奴に、後ろ回し蹴り。
もちろん当てねーけど。

『お前もアウトー』

「く、くそ、なんなんだこいつ!?」
「めちゃくちゃ強ぇぞ…」

なんだよ、もう終わりか?
つまんな。

『じゃ、もう良いだろ。椿置いて帰れ』
「…っち!」

椿以外の奴らは、舌打ちをして逃げて行った。
弱っちいな、ったく。


『ほんと面白くねぇ』

一言呟いて、ひとり座って固まっている椿の元へと向かう。











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