ちょっとだけの体裁

『おい、お前ら』

「「あぁ?」」

声をかけると、一斉にこちらを向く。

『何があったか知らねーけど、対1人ってどうなんだよ』
「っせーな、お前に関係ねーだろ」
「女は引っ込んどけ」
「痛い目みたくなかったら、帰んな」

ここでも、女、だと?

ウチひとりが、俺を掴もうと手を伸ばしてくる。
こんの、糞餓鬼どもが。
その言葉。そっくりそのまま返してやる。


「いだだだだっ!」
『俺は男だ』

伸ばされた手をとって、背中に回して固めて。
もう人生で何回言ったか分からない毎度お馴染みの台詞を言う。

『今の発言。俺に喧嘩売ったとみなす。かかってこい』

「て、てめぇ…」
「っざけんなよ!!」

そいつの腕を開放して、奴らの方に押した。

『全員で来ていいぜ?』

ニッコリ笑って、挑発した。
この手の奴らはすぐ頭に血登るからな。


7人が全員、睨んでくる。
おー怖い怖い。

「お、おい、あんた」

椿が心配そうに言ってくるけど、笑顔で

『大丈夫だって。早く終わらして傷の手当してやっから、な?』

言って。

『これ。もっといて』
「あ、あぁ」

新のために買った新発売ジュースの袋を椿に投げる。


「てめー、なめやがって!!」
「やっちまえ!」

それと同時に、殴りかかってきた。

『背後から、とはなってねぇなー』

と、ひとつつぶやいて。





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