街上陸!
『ひっさびさの外だー!!』
フェリーから下りて、バスに揺られること30分。
一際賑わってる街へとやってきた。
「こら、一瀬。恥ずかしいからやめて」
大きく伸びをして叫ぶ俺を、後ろから牧が止める。
「ったく。これだから田舎モンは」
「野上も対して変わらないわよ」
そんな俺をメガネ直しながら言う野上。
と、それをたしなめる花井。
「なんで、俺こんなとこにいんだ?」
「それはあいつらの保護者だからだよ、新くん」
ため息をつきながら言う新。
に、肩を回しながら笑う神木。
以上(俺含め)6人。
小テストの勉強休みに来たってわけで。
そんで、どうでもいいけどさ。
目立ちすぎなんだよ、お前ら。
それぞれがみんな顔いいもんだから、さっきから歩く女の子がみんな振り返ってる。
たまーに男が振り返るけど、それは俺が女みたいだからだろ?
知ってんぞ、んなこと。
「ね、ねぇあの人たちかっこよくない!?」
「なにあの集団!モデル!?」
いいえ、ただの男子高校生です。
「なぁあの集団の真ん中にいる女、可愛くね?」
「うわーチョー可愛いじゃん!!」
『俺は、男だ!!!』
思わず叫んだ。
言ってた男どもはどっか行ったけど。
「まぁまぁ。落ち着きなよ、一瀬」
状況が分かったらしい牧が苦笑いをしながら言う。
『くそ、あいつら腹立つ』
「まあ落ち着け、せっかくの息抜きだろ」
後ろから新にまた言われて。
『おとうさーん、助けてー』
「誰がお父さんだ」
抱きついたら、剥がされた。
くっそー、お父さんめ。
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