ふたりのセンセー

「ここは、こっちに代入して」

「あーここ違うよ」

いつの間にか、一緒に教えてもらうはずだった牧もセンセーと化していて。
今、(現在進行形で)ふたりにしごかれてる最中だ。

くっそー、勉強じゃなきゃこいつらになんか負けねーのに。


『なー、休憩しようぜー』
「そんなこと言って、さっきしたばっかでしょ」
「あともう少し頑張ろうぜ、な?」

『…鬼』

一言つぶやいて、またノートに目を移した。

さっき(10分くらい前)に休憩したけど。
たんねーよ、んなもん。


『…二次関数とか無くなれ』
「ははっ」

笑いながら、次の問題を出す神木は、なんだかんだスパルタだ。


『なんでだよボケ』
「ええ!?どこにキレたの?」
『これアホ。この問題アホ』
「問題にキレるなよ・・」

苦笑しながら言う、神木。
牧が問題を覗き込む。

「これ変わんないよ、さっきのと」
『あ?全然違うし』
「さっきの公式を応用して、こう展開して」
『…ほー』

牧はどうも普通に、頭良いらしい。
基礎はできてる。けど、応用が苦手なんだと。

ここ(栖鳳)のレベルが高いから、あんま目立たないけど。

…なんで、俺ここ入れたんだろ。


『あ、できた』

「おー正解。良くやったな、一瀬」

微笑みながら、頭を撫でてくる。
やっと解けた問題は、どうやら正解だったみたいだ。

神木は飴と鞭の使い分けが上手い。
スパルタだけど、正解したらめっちゃ褒める。


ふたりに共通してるのは、教え方がうまいってこと。
俺がいくらアホだって、なんか理解出来た気がするし。

実はスゲー奴らなのかもしらん。






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