牧くんにかけられた希望

『で、野上がさー』
「…おう」

あれからあいつらと別れて、部活紹介っていう一種の出し物に奮闘していた新のとこ行って、美咲ちゃんでからかってきた。

けど、全然だめ。こいつも神木と同じで、バレた。
つまんねー。

で、面白かった野上の話をしながら。
部活紹介で疲れたから、寝たいっていう新について寮に戻ってきた。

「着替えねーのか」
『んー、なんか周りの反応がおもろいからもうちょい遊ぶ』
「…悪趣味だぞ」
『いつも間違えるやつらへの復讐だ』
「あっそ」

呆れる新にへへっと笑いながら、歩いていると

「お、一瀬。新。お疲れ」
『あれ神木じゃん。お疲れー。何してんの?』

神木が廊下の壁んとこに寄っかかってる。
それを聞くと、目線だけである方向を指す。

その先には、牧の部屋?
あ、野上も花井もいる。
っつーか、なにこの人集。キッショ。


「あそこに本物の女の子がいる」
『へー』
「あいつらの幸せは牧の手にかかってるんだとよ」
『くだらね』
「全くだ」

な、と新とうなずくと。神木も微笑んで同意する。

ま、牧は扱い上手いだろうし。
あいつにまかしときゃ大丈夫だろ。

「しっかし本当女の子だな、一瀬」
「全くだな」

ふたりが俺を見て、同時に頷く。
んな見んなよ。なんかハズいじゃんか。

『あ、あんまジロジロみん…「出て行け!!」

え?牧の声?
めっちゃきれてっけど。

「俺があんたを殴らないうちに早く!」

ただ女の子と話してるだけなんだろ?

「二度とエリカをブスって言うな、ブス!!」

エリカ…?牧の彼女か?

「ブス出てけ!!」

「さっきから黙って盗み聞きしてりゃ・・・性格悪いわよ、アンタ!!」

その言葉を筆頭に、話を聞いていた奴らが次々と罵声を飛ばす。
あれま、すげー嫌われよう。





[ 73/88 ]




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -