どうも美咲です

「神木。こんな不細工押し付けてどこ言ってた」
「はぁ?ブサイクって俺ぇ?まじチョーないんすけどぉ」

神木が野上を呼んだら、なんか変な奴ついてきた。
そんで牧がいねえ。

「おお、悪い悪い。でもこの子紹介しようと思って」
「この子?」

上手い具合で神木の背中に隠れていた俺。

『…こんにちは』

ニッコリ微笑んでみせる。
おーおー。固まってるねー、野上くん。
ついでに一緒にいた、おそらく入学希望者くんも。

「お、おい誰だ神木」
「真奈の友達」

おー、うめえ。嘘。

『美咲(みさき)です』
「へ、へえ。よろしく」

うける。必死にクール装ってんじゃん。

『野上さんって格好良いねってさっき神木くんと話してたの』
「ふーん」
『今野上さんって彼女いるの?』
「まあ、いないけど」
『わー、じゃあわたし立候補しちゃおうかな』

「ぶっ…!」

うわ、吹き出しやがった。神木。

『笑うなよ、アホ』
「悪い悪い」

腹抱えて笑ってる神木を睨む。

『悪いね、野上さん。俺っすわ』
「お、お前…!一瀬か!?」
『おう』
「お前…女だったのか!」
『なんでだよ!』

思わず突っ込む。
野上のボケに、また神木が笑い出した。


「こんな風に女に飢えてる奴がいっぱい」
『それの仲間入りをしたいわけか、お前は』

野上を指さして、神木とふたりで言えば。

「…嫌だー」

頭を抱え込むそいつ。
おもしれえ。新入生いじめ。

『ま、それでもいいなら歓迎してやるよ』

にっこり笑いながら言えば、少し染まる頬。
ふと今の自分の格好を思い出して、死にたくなった。




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